ホルモン補充療法は貼り薬がいい?塗り薬がいい?
ホルモン補充療法(HRT)は、年齢とともに少なくなる女性ホルモン(エストロゲン)をホルモン製剤で補う治療法のこと。更年期障害など、ホルモンバランスの乱れでおこる不調に対する治療法で、欧米では50年ほど前から使われています。
ホルモン補充療法には飲み薬・貼り薬・塗り薬があります。それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
ホルモン補充療法の治療薬の種類
ホルモン補充療法で使用される製剤には、
飲み薬・貼り薬・塗り薬があります。
成分 | 薬剤名 | |
飲む(錠剤) | 結合型エストロゲン | プレマリン錠 |
エストラジオール | ジュリナ錠 | |
エストリオール | エストリール錠 | |
貼る(パッチ) | エストラジオール | エストラーナ |
塗る(ジェル) | エストラジオール | ディビゲル |
ル・エストロジェル | ||
挿入する(錠剤) | エストリオール | エストリール錠 |
ホルモン補充療法の投与のパターン
1 エストロゲンと黄体ホルモンを周期的に併用する
エストロゲンを単独で補うと、子宮がんのリスクが高まるので、閉経前の人には、エストロゲンを毎日、プロゲステロンを1か月に12日間服用します。
2 2つのホルモンを毎日服用
閉経してから年数がたっている人には、エストロゲン・プロゲステロンを毎日服用します。
3 エストロゲンのみを服用
子宮がんのリスクがない場合(子宮を切除している)には、エストロゲンのみを毎日服用します。
飲み薬・貼り薬・塗り薬の比較
飲み薬のメリット・デメリット
飲み薬は、錠剤で、他の薬と同じように飲むことがで
きます。
胃腸や肝臓に負担がかかることがあるので、
胃腸の弱い人、肝臓に持病のある人、高コレステロールの人は避けた方がいいでしょう。
貼り薬のメリット・デメリット
上昇した血中濃度を長時間安定させられます。
皮膚から直接吸収するので、胃腸への影響がありません。
パッチ薬の場合、皮膚の弱い人は、発赤を起こす可能性があるので、貼る場所をこまめに変える必要があります。
塗り薬のメリット・デメリット
局所投与ができます。ジェルタイプなので、皮膚が弱い人でも安心です。
塗るのが面倒になることも。保険適用のない薬もあります。
ホルモン補充療法の費用
更年期障害のためにホルモン補充療法を行う場合には、保険適用があります。
薬にかかる費用は、自己負担分として平均で1か月1000円~2000円です。
以上のように、ホルモン補充療法には、いくつかの種類があります。それぞれ長所短所があるので、自分に合った方法を選びましょう。